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●ベン・ハーの物語

ベン・ハーの物語



この物語は、フィクションです。キリスト、チベリウス皇帝、ピラト総督などは歴史上実在した人物ですが、主人公のベン・ハーは同名原作小説の中に登場する人物であくまで創作された存在でしかありません。



西暦紀元の初めの時代を背景にして描かれる、ベン・ハーと親友メッサラ、ベン・ハーとキリスト、恋人のエスターや母と妹など、愛憎に満ちた様々な人間模様。緻密なワイラー監督の演出によって映画ではまさに劇的なストーリーが展開されていきます



しかし、原作と映画ではところどころに背景や登場人物の設定の違い、ストーリー展開の違いがあります。



原作は南北戦争の時代の英雄ルー・ウオーレス将軍の同名小説。実は小説の方はもっと宗教的な色彩が濃く、聖書にも準ずるものとして敬虔なクリスチャンたちにも親しまれた気高い物語でした。




教会牧師らも、この物語を引用しながら、人類の救済を担うとされるキリスト教の教えの偉大さ、信仰の重要さを説いたといいます。




実際、映画Ben-Hurのタイトルの後に出るサブタイトルには、はっきりと『A Taile Of The Christ』と書かれていて、この物語がキリストの一生をモチーフにして作られたのだということを暗に示しています。




 

原作と映画の違いをまとめてみます。

原作と映画の物語の違い

●ルー・ウオーレス将軍の同名小説
・ベン・ハーが誤って新総督グラトスに瓦を当ててしまう
・ベン・ハーはガレー船の苦役を終えて郷里に帰る途中、暴走する戦車に乗ったメッサラと出会い、彼の御している馬の足をつかみあげて止めてしまう。
・ハー家の執事サイモニデスはメッサラから借金を取り立ててメッサラを破滅に追い込む。
・ゴルゴダの丘へ向かう途中でキリストが母と妹に触れると奇蹟が起こり、ライ病が癒される。
・メッサラが戦車競争で負けて大けがをし、その後ベン・ハーに復讐をしかける。
・エスターと結婚して地下壕にカタコンベを構え密かにキリストの教えを信仰し続ける。


●映画(チャールトン・ヘストン主演作)
・妹が誤って新総督グラトスに瓦を当ててしまうが、ベン・ハーがこれをかばう。
・郷里への途中族長のイルデリムと出会い、メッサラが戦車競争に出場することを知る。
・借金を取り立てるのは族長イルデリム
・母と妹は嵐を避けて岩場に隠れるが、はりつけにされたキリストの息が絶えたとき、ライ病が治ってしまう。(奇蹟か偶然かはっきりしない。)
・メッサラは戦車競争でベン・ハーとの対決に破れ死んでしまう。
・病気が治った母と妹に再会するシーンで終わる。映画ではエスターとの結婚は描かれなかった。




映画には脚色が加えられたとはいえ、ドラマ全体に流れる人間愛、家族愛、そして時代に翻弄される人々の苦悩を真芯に捉えて、小説からのメッセージを忠実なまでに表現し再現しています。




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