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●十戒

十戒






これこそ大画面で見ないと損。CGが普通になってきた最近のハリウッド映画にも引けを取らない超ど級のスペクタクル。母に連れられて兄弟4人皆で見に行った。 リバイバルで5歳の頃ベンハーを見たけれど、5年生になって見たこの映画、主役俳優が同じ人って全然知らなかった(チャールトン・ヘストン)。髭をたくわえた預言者の顔と貴公子の顔ではまるで違うように感じた。 ドリームワークスの「プリンス・オブ・エジプト」でリメイクとしてアニメ映画化されて、展開を見比べるのもおもしろかった。アニメではネフレテリ(王女)が扱われていない。兄弟の愛憎を殊に取り上げて対立せざるを得ない二人の悲哀を実写版よりもクローズアップしていた。 特撮の神様セシル・B・デミルの作品としては代表作中の筆頭でしょうな。海野割れるシーンなんてわざわざプールに水を流し込んで撮ってる。






これこそ大画面で見ないと損。CGが普通になってきた最近のハリウッド映画にも引けを取らない超ど級のスペクタクル。母に連れられて兄弟4人皆で見に行った。






リバイバルで5歳の頃ベンハーを見たけれど、5年生になって見たこの映画、主役俳優が同じ人って全然知らなかった(チャールトン・ヘストン)。髭をたくわえた預言者の顔と貴公子の顔ではまるで違うように感じた。






ドリームワークスの「プリンス・オブ・エジプト」でリメイクとしてアニメ映画化されて、展開を見比べるのもおもしろかった。アニメではネフレテリ(王女)が扱われていない。兄弟の愛憎を殊に取り上げて対立せざるを得ない二人の悲哀を実写版よりもクローズアップしていた。






特撮の神様セシル・B・デミルの作品としては代表作中の筆頭でしょうな。海野割れるシーンなんてわざわざ両脇のタンクからプールに水を流し込んで撮ってる。超高速撮影という手法でフィルムにコマをたくさん撮って通常速度で再生。ゆっくりダイナミックに水が動く様が圧巻。






ドラマとしての上映時間はあまりに長い。長すぎる。休憩時間にゆったりと間奏曲が流れちゃうんだから。(ベン・ハーもキング・オブ・キングスもだ)今時の標準的な映画展開と比較するとついて行けない気もする。






演技はと言えば今見るとやはりオーバーアクションである。劇場で芝居を見る時代から映画で芝居を見る時代へと移行して間もない頃の映画だからねえ。






ただやはり骨董品のような深みのある作品。一見の価値あり。

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●ベン・ハー 映画パンフレット

ベン・ハー 映画パンフレット 初版米国本と日本国内製パンフ






現在、私は自宅に「ベン・ハー」の初版ハードカバーBOOKとパンフレットの2種類保管しています。






■■米国製■■(FROM MGM -- A RANDOM HOUSE BOOK)






2001年2月頃、「ベン・ハー」のwebコンテンツを作成して公開したところ、アメリカのユタ州在住でYさんという方からメールを頂きました。私のページをご覧になって、こんなにもこの映画に思いを寄せている人間がいるのかと、深く感銘を受けて下さったとのことで、ご自前のコレクションの中から私宛米国製初版のパンフレットを1冊贈呈下さるということで連絡下さいました。見ず知らずの方からのご好意に驚き、感謝感激で胸一杯。(インターネットの世界の魅力ですね) このパンフ、アメリカ公開当時のハードカバー製で全文英文字刷り。メッサラやエスターなどキャスト紹介もそうだが、戦車競争アリーナの場面やハイライトシーンなど、折り込みの油絵風イラスト入りでした。驚きと感激で胸いっぱい。同じようにこの映画を愛している方との巡り会いに感動しました。生涯の宝物として保存しようと思っています。






パンフの内容






1.表紙:おなじみの戦車競争の馬車の疾走図。そのバックには「BEN-HUR」の岩文字が高く2段でそびえ立つ。
2.折り込みで戦車競争アリーナ全体図(映画のロングショット。)
3.ラクダとキャラバンの背景にMGMのpresidentによる「foreword」
4.原作著者について
5.ブロードウェイフォトグラフ
6.キャスト紹介(すべてイラストで描かれた顔)16人
7.RANDOM REVELATIONS
8.映画ハイライトシーン英文説明入り 大中小26枚
9.THE WYLER TOUCH(モノクロ1枚含む)
10.CASTING(モノクロ1枚含む)
11.THE MAKING OF THE FILM(モノクロ6枚含む)
12.THE SETS(モノクロ2枚含む)
13.WARDROBE(モノクロ1枚含む)
14.MUSIC(モノクロ1枚含む)
15.CAMERA 65(モノクロ1枚含む)
16.折り込みイラスト:キリスト
17.折り込みイラスト:戦車競争
18.折り込みイラスト:ゴルゴタの丘
19.折り込みイラスト:海戦
20.折り込みイラスト:キリストの誕生
21.イラスト:エスターとジュダ
22.裏表紙:戦車競争






■■日本製■■(編集-松竹株式会社事業開発部/提供MGM映画会社)






 1977年、ある有名映画雑誌に掲載されていた愛読者の交流欄で、映画パンフレットを譲りたいという投稿があったのを見つけて即座で手に入れたと記憶しています。少ない小遣いをはたいて買った(いくらだったか全く覚えてない--;)このパンフ、今はもう製本がバラバラにはずれて切れてしまい、クリアファイルの中に収まるしかない姿になっていますが、大事なお宝として今もなお お気に入り本棚のど真ん中に陣取っています。






パンフの内容(ほとんど米国製のBOOKを踏襲してますがイラストは無い)






1.表紙:米国製と同じく戦車競争の馬車の疾走図。そのバックには「BEN-HUR」の岩文字が高く2段でそびえ立つ。下段にシネラマ風装飾文字で「ベン・ハー」。

2.ヨッパの門とローマ軍の新総督赴任出迎え(モノクロ)
3.ベン・ハーとエスターのカメラテストスナップ
4.キリストの十字架処刑とゴルゴタの丘
5.アカデミー賞11部門の受賞者名
6.驚嘆の物語 不滅の物語 異彩の著者
7.スタッフ名 キャスト名 解説
8.ものがたり
9.キャスト(俳優)主演の16人プロフィール紹介
10.映画ハイライトシーン 大中小23枚
11.配役
12.ウィリアム・ワイラー寸描
13.新聞社評より(米国の新聞社含む)
14.巨大なセット
15.制作ノート(映画モノクロハイライトシーン8枚含む)
16.SYNOPSIS (英文字のあらすじ)
17.映画ハイライトシーン 厩舎のマリアとヨセフ 山上のキリスト
18.映画ハイライトシーン(モノクロ)2枚
19.裏表紙:カメラテストスナップ 「BEN-HUR」 戦車競争



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●ベン・ハー 大画面70mm映画

ベン・ハー 


大画面70mm映画70mm〜シネラマ版の魅力〜






映像の芸術として映画を観るとき、美観を意識せずに作られた映画は観るに堪えません。まあ、世界で公開される映画にそんな作品はまずありませんが・・・。






「ベン・ハー」はワイラー監督の感性が余すところなく発揮された映画です。この映画の中でお目見えする大小さまざまなセットと、そこに立って演技する俳優たちの姿は、シネラマという横長の大画面にうまく調和していて美しく、観る者の目を存分に楽しませてくれます。






ベン・ハーのシネラマ画面の構図の決定には、ひとつのポリシーが貫かれていたようです。全画面がそうとは限りませんが、皆さんはお気づきでしたか?






俳優のツーショットのアップでは、その間隙に空白がほとんどなく、人物、建物・木などが配置されている。ワンショットの場合も両脇に人物などが配置され、画面全体のバランスがとれるようにしています。






1.ベン・ハーとメッサラの再会のシーン。


2.ベン・ハーがメッサラの命令でローマ兵に邸宅から連れ去られるシーン。


3.ガレー船に奴隷を連行する隊長が、キリストを見ておののくシーン。


4.アリアスが他の将校たちにマケドニアの海賊征伐の使命を伝えるシーン。


5.アリアスを救ったベン・ハーとそれを囲んで見守る船上の将校たち。


6.故郷を懐かしむベン・ハーがアリアスと会話するシーン。


7.ピラトが戦車レース終了後にベン・ハーを讃える表彰シーン。


8.戦車競争で敗れ、瀕死のメッサラがベン・ハーにつかみかかるシーン。


9.ベン・ハーとピラトが宮殿で指輪の受け渡しをするシーン。


10.遠景(ロングショット)のシーンでは、奥行きの中心像が画面中心と一致しせずにずれている。


11.ローマ軍のエルサレム入城、指揮官の交代シーン。


12.ベン・ハーがメッサラと再会し肩を抱き合うシーン。


13.メッサラがベン・ハーの邸宅を訪れ、彼の家族と中庭を進んでいくシーン。


14.ヨッパ門前でグラタスとその歩兵軍隊を迎えるユダヤ駐留軍の整列シーン。


15.ローマ軍兵士に捕らえられたベンハーがメッサラに「事故だ」と訴えるシーン


16.ガレー船の奴隷たちが砂漠を進むシーン。


17.アリアスとベン・ハーのローマ凱旋パレードシーン。


18.噴水のあるアリアス邸でのパーティーシーン。


19.ライ病の母妹が肩を寄せて支え合い、寂れた自分たちの邸宅を訪れるシーン。


20.戦車レースの日、御者たちが入場行進の整列場所に集まるシーン。






その他画面の随所にこのような計算され尽くした構図を観ることができます。シネラマであるだけに、工夫された箇所も多かったと思いますが、このことに関しては、約1.00対3.60という比率ゆえに特にアップシーンで画面に大きなスペースができてしまうため、構図の美観を損なわないように何か置かなければ格好悪い、という理由も含まれていたのでしょう。バランスをとる、ということですね・・。


スペクタクルなシーンを売り物にする映画、歴史大河ドラマ的な映画では、ほとんどこの「ベン・ハー」と同じようにシネラマ、あるいはシネマスコープの規格で撮影されているようです。群衆シーンや大型のセット、奥行きの深い景観を映し出すのには最適だからでしょう。


ところでジュラシックパークシリーズなどは迫力あるシーンがあり、スペクタクルな映画でもありますが、あれはビスタサイズ・スタンダードサイズです。なぜそのサイズになるのか・・・。これは高さにいく映像が多いからでしょう。見上げるように大型の恐竜を映し出さねばならないから、横幅よりも縦幅があることの方が重要ですし。


映画は芸術・・・・・。そう言われるゆえんはこのようなところにもあるのでしょう。



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●ベン・ハーの音楽

ベン・ハー 音楽の魅力


民族の旋律と楽器を駆使したローザの音楽




私が「ベン・ハー」にはまってしまったのは、この音楽の魅力にとりつかれたからといっていいでしょう。




もともと父や姉など、家族皆がクラッシック系統の曲が好きだったので、家ではいつも交響曲や管弦楽曲が流れない日はありませんでした。小学生4年の頃、父が「好きなレコードを買って良い」と言ってくれた日があって、よしっ、とレコード店で品定めをしていたら、たまたまスタンリー・ブラック指揮、ロンドンフェスティバル管弦楽団演奏の「ベン・ハー」編曲盤が売り出されていていました。




これを買って聞くようになってからというもの、レコードプレーヤーを独占するくらい毎日聞いてしまっていました。




スタンリー・ブラック指揮、ロンドンフェスティバル管弦楽団演奏発売元 キングレコードK・K

1,ベン・ハー(パート1)
2,ベン・ハー(パート2)




以後、編曲盤では物足りなくて、サウンドトラック盤を求めるようになるのですが、その当時、レコード店でサウンドトラック盤は店頭には並んでいず、店頭においてある販売品目リストの冊子にもタイトルはでていませんでした。




1977年5月、待望のサウンドトラック盤が発売されました。カルロ・サヴィーナ指揮のローマ交響楽団演奏のレコードでした。




カルロ・サヴィーナ指揮のローマ交響楽団演奏発売元 ポリドールK・K


1,ベン・ハー序曲
2,賢者の礼拝
3,ローマンマーチ
4,友情
5,愛のテーマ
6,灼熱の砂漠
7,船を漕ぐガレー船の奴隷
8,海戦
9,ユダヤに帰る
10,勝利の行進
11,母の愛
12,キリストを探すライ病者
13,十字架の道
14,奇蹟とフィナーレ




続いて1981年10月21日にサウンドトラック盤vol,2盤が発売されました。エリッヒ・クロス指揮、フランケンステイトシンフォニー演奏のレコードでしたが、ブラスセクションの音作りにやや不満を感じてしまいました。でも第1集盤よりもオリジナルの曲(映画館でシーンに流れていた曲)に近かったので今でも時々聞いています。




エリッヒ・クロス指揮、フランケンステイトシンフォニー演奏発売元 ポリドールK・K


1,前奏曲
2,ベツレヘムの星
3,エルサレムに入るグラテス
4,ハーの邸宅
5,メッサラの復讐
6,ファーティリティ・ダンス
7,さらばローマ
8,アリアスのパーティー
9,御者達の行進
10,ブレッド・アンド・サーカスマーチ
11,メッサラの死
12,思い出
13,山上の説教
14,死の谷
15,ゴルゴタの丘
16,キリストのテーマ




そしてさらに1998年、市内の某直輸入盤レコード店で本当のサウンドトラック盤CDを見つけることができました。映画で流れていた曲がほぼ原曲のまま録音されているものでした。特に、キリスト降誕シーン後、あの独特のtァンファーレで始まる序曲が収められていたのには感激しました。言うまでもなく、ミクロス・ローザ指揮、MGM管弦(ロサンゼルスフィル)楽団演奏のものでした。




ミクロス・ローザ指揮、MGM管弦(ロサンゼルスフィル)楽団演奏発売元 ターナーエンタテイメントカンパニィ(1996年)


1,Overtuer
2,Ster Of Bethlehem
3,Adoration Of The Magic
4,Prelude
5,Marcia Romana
6,Ring For Freedom
7,Salute For Gratus
8,Gratus’Entry To Jerusalem
9,The Desert
10,Exhaustion
11,The Prince Of Peace
12,Roman Gally
13,Salute For Arrius
14,The Gally
15,Battle Preparations Parts1&2
16,The Pirate Fleet
17,Attack!
18,Ramming Speed!
19,The Battle Parts1・2&3
20,Rescue
21,Victory Parade Parts1&2
22,Arrius’Party Parts1&2
23,Nostalgia
24,Farewell To Rome
25,Return
26,Promise
27,Sorrow And Intermission
28,Fanfare For Circus Parade
29,Circus Parade
30,Valley Of Lepers
31,The Search
32,The Procession To Calvary
33,The Bearing Of The Cross
34,Recognition
35,The Miracle
36,Finale  


そして現在はこのサウンドトラック盤の2枚組み完全版を持っています。




作者:ミクロス・ローザについて


ローザは「ベン・ハー」と似たような題材を何度となく扱ってきています。それぞれの作品で古代の民族音楽の時代考証を綿密に行って、その雰囲気を醸しだしています。




彼が手がけた同じ題材(史劇)の作品。


黒騎士
クオ・ヴァディス
キング・オブ・キングス
ソドムとゴモラ
エル・シド
シンドバッド7回目の航海


いずれも荘厳な中に美しい旋律を織り交ぜた完成度の高い曲ばかりです。





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●ベン・ハーと奴隷制度

ローマ帝国の奴隷とユダヤの奴隷




戦いで他国を領土とし、その敗者達を捕らえて自分たちの所有物とするローマ帝国の奴隷制度は、帝国の経済活動の一環として組み込まれていました。




覇権をねらって諸外国に出かけ遠征を繰り返していたローマ帝国も、戦利品である「戦争捕虜」を連れ帰り、奴隷として強制的に働かせて、農場の耕作に従事させたり、はたまた他の国との戦争が始まればまたこれを兵として戦場に送り込んだりして、消耗品のようにすり切れるまでこき使ったわけです。国家の存続に役立てるのだとはいえ、何とも残酷な話しです。




しかし時代を考えるとそうしていくしかなかったのでしょう。力で支配する時代であったからこその制度。映画の中では、ガレー船の漕ぎ手(犯罪者などが主体)・アリアスの邸宅でダンスを披露するアフリカ系民族・食事を運ぶ給仕・戦車競争の御者として腕をふるう剣闘士などという形で登場していました。今の時代に制度として残存している国や地域もあるようです。人間って働くのが嫌いな生き物なのでしょうか。




一方ユダヤ民族の間でも当時奴隷制が在ったことに驚きました。




ハー家に仕えるエスターとその父親サイモニデス、言葉を話せないマルク。映画では主人であるベン・ハーに仕える奴隷として、この3人が主に登場します。


この物語の中で、属州としてのユダヤはローマ帝国の圧政に苦しみながらたくましく信仰に希望を抱いて生きていく民族として描かれているのに、そのユダヤ民族も、高貴な地位にある人々となれば帝国と変わりない有様だったわけですね。




奴隷の3人とその主人であるベン・ハーとの関係は、と言えば、「仲の良い友人」であるかのように描かれていましたが、現実はそうでなかったようです。




この奴隷の存在が、当時のユダヤ人にとって、「神の恵みである」と解釈されていた事実には理解しがたいものを禁じ得ません。何か自分たちにとって都合の良いように教義も作った(解釈した)ように思えます。




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●ベン・ハーとガレー船

ベン・ハー ガレー船(軍船)〜ガレー船と海の戦闘〜




ガレー船について




■木槌で鉄板をたたくリズムに合わせて、船漕ぎの苦役を負わされた奴隷達が死にものぐるいでオールを漕ぐ。




■三段オールの大型軍船は200人近くの漕ぎ手を乗せ、戦艦の原動力としての能力を失わせないよう、奴隷達すべてを鎖につないで脱走を防ぐ。地中海の海域を廻りながら海賊達の襲撃にも激しく抵抗して応戦する。




■投石機から火だるまになった石が飛び出し相手の軍艦を破壊する。




■船首の金属製の突起部が船腹を突き刺し浸水とともに敵船を撃沈する。




■接近戦になれば剣と槍の戦いになり激しいつばぜり合いが生死と勝敗を決めていく。




海戦シーンについて 


奴隷達の船漕ぎシーンでは、実物大のガレー戦も作って撮影しています。海戦シーンでは、実際に制作したというガレー船のミニチュアモデルを使って高速度撮影を行い、スローな動きで実物大のスケール感を再現しようと試みています。



けれども船上に立つローマ兵の人形や波のしずくの大きさと散り方で、すぐに模型の船だとわかってしまいます。 


圧倒的な迫力で押しまくる戦車競争のシーンとは対照的に、ちゃちな特撮だと批判される向きもありますが、プールに大量の水を溜めてバックに空と雲の絵を張り出して撮影したスタッフの苦労を思うと、何か・・・にくめないです。





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●ベン・ハーのキャストたちの演技

ベン・ハー 演技について俳優の演技




主演したチャールトン・ヘストンの演技の秀逸さについては特筆するまでもないでしょう。彼はこの映画で初めて主演男優賞を受賞しました。ベン・ハーの撮影の仕事直後に出演した同題材(史劇)の映画、たとえば「エル・シド」などでも、押さえ気味ながら、彼の個性的な演技が光っていました。




スティーブン・ボイド他のキャストの演技も負けてはいませんでした。ここに高い評価を得ているウィリアム・ワイラー監督の演出の腕を感じますし、また監督を信頼してその求めるものすべてに応じていったキャストたちの忍耐強さに拍手をおくりたい気持ちです。




そのようなスタッフ、キャスト皆が一致団結して作り上げた数々ある名シーンの中で特に心に強く焼き付いたのは次のようなシーンです。




1,エルサレムに到着したメッサラが自分が指揮するローマ軍団に満悦してまじまじと眺める。




2,メッサラとベン・ハーが再会を喜び合い、肩を抱き顔を合わせ感激し合う。




3,興奮しながら立身出世を説くメッサラと次第にベン・ハーがそれに激しく反発していく。




4,成長したエスターが、数年ぶりに合うベン・ハーを前にして恥じらいを隠せずにたたずむ。




5,ベン・ハーとエスターが運命の別れに切なさを抑えきれず抱擁し合う。涙を拭いベン・ハーの前を立ち去るエスターがあまりにも美しい。




6,無実を叫ぶベン・ハーを無視し、目で部下の兵士に指示を送るメッサラ。




7,冷たくあしらうメッサラに母と妹の釈放を涙ながらに訴えるベン・ハー。




8,砂漠に倒れ死を目前にして最後の助けを求めながら祈るベン・ハー。




9,兵士の制止を聞かず、苦しむベン・ハーに水を与え続けるキリスト。映画では背しか見せないが、威厳と神々しさをほとばしらせた演技はこの世界一有名な人物を、人々のイメージを壊すことなく荘厳に表現している。




10,船室のアリアスにメッサラへの復讐を遂げることが生きるバネだと淡々と語るベン・ハー。憎しみが体中にみなぎっているという感じが出ていて迫力があった。




11,アリアスに認められ甲板を後にする途中、ガレー船の船底で櫂を漕いでいる奴隷達が目に入り立ち止まってしまうベン・ハー。自分だけが自由の身になることに対しての後ろめたさをうまく表現していた。




12,アリアスの邸宅で一人故郷を思うシーン。見ていても寂しさがこみ上げてくる。




13,井戸の側へ寝ころぶベン・ハーにキリストだと勘違いしてバルサザールが声をかける。人違いであることを知りがっかりして肩を落とす。




14,イルデリムのテントで、バルサザールの語りに耳を傾けているうちに心が和んでくるベン・ハー。その昔救世主キリストの誕生を祝い礼拝したことを話すうちに思いが熱く高まるバルサザール。




15,悲願の帰郷を遂げ、故郷の家の門にキスをして頬を寄せるベン・ハー。あまりに変わり果てた邸宅の姿に打ちひしがれる姿。




16,拷問を受け不自由な体になったサイモニデスとの再会。




17,事件のあとのメッサラとの再会。憎しみを露わにするベン・ハー。驚きを隠せず動揺するメッサラ。




18,生きていた母と妹が自分たちの邸宅へ訪れ、エスターに最後の願いを伝える。あまりにも悲しく哀れな二人を見つめる優しいエスターの視線が印象に残る。




19,母妹の死をエスターに告げられ、狂おしく泣き崩れるベン・ハー。みなぎる憎しみ。メッサラへの復讐を強く誓う。




20,死の床に横たわるメッサラが最後の力を振り絞りベン・ハーへの憎しみを投げつける。傷ついた彼をただ淡々と見つめていたベン・ハーは母と妹が生きていることを明かされ愕然とする。




21,ライの谷で、変わり果てた母と妹の姿を見て泣きうなだれるベン・ハー。




22,憎しみを捨てきれないベン・ハーにエスターが若いラビの存在を伝える。そのラビこそがキリストである。失望したエスターが、ベン・ハーの顔にメッサラの影を見た、と言うと、サッとベン・ハーの顔から血の気が引く。改めて憎しみに束縛され苦しみあえぐ自分の姿を見つめ直すベン・ハー。




23,ライの谷へ母と妹を救いに来たベン・ハー。自分の姿を見られて逃げまどう母に近づき、目を潤ませながら苦しんだ母の目を見つめその思いを汲み取る。妹も救いだし、愛おしく、強く抱きしめる。




24,処刑の丘に向かうキリストに恩返しの水を持ち運ぶベン・ハー。キリストの顔を見た瞬間、心が洗われたような不思議な雰囲気に支配されていく。




25,ラストシーン。家族の絆を再び取り戻し、希望とやがて来る平和に期待を寄せながら、いつまでも肩を寄せ合う4人。




26,戦車競争シーンの迫力ある馬たちの走りや、御者達の命がけのスタント。



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●ベン・ハーの物語

ベン・ハーの物語



この物語は、フィクションです。キリスト、チベリウス皇帝、ピラト総督などは歴史上実在した人物ですが、主人公のベン・ハーは同名原作小説の中に登場する人物であくまで創作された存在でしかありません。



西暦紀元の初めの時代を背景にして描かれる、ベン・ハーと親友メッサラ、ベン・ハーとキリスト、恋人のエスターや母と妹など、愛憎に満ちた様々な人間模様。緻密なワイラー監督の演出によって映画ではまさに劇的なストーリーが展開されていきます



しかし、原作と映画ではところどころに背景や登場人物の設定の違い、ストーリー展開の違いがあります。



原作は南北戦争の時代の英雄ルー・ウオーレス将軍の同名小説。実は小説の方はもっと宗教的な色彩が濃く、聖書にも準ずるものとして敬虔なクリスチャンたちにも親しまれた気高い物語でした。




教会牧師らも、この物語を引用しながら、人類の救済を担うとされるキリスト教の教えの偉大さ、信仰の重要さを説いたといいます。




実際、映画Ben-Hurのタイトルの後に出るサブタイトルには、はっきりと『A Taile Of The Christ』と書かれていて、この物語がキリストの一生をモチーフにして作られたのだということを暗に示しています。




 

原作と映画の違いをまとめてみます。

原作と映画の物語の違い

●ルー・ウオーレス将軍の同名小説
・ベン・ハーが誤って新総督グラトスに瓦を当ててしまう
・ベン・ハーはガレー船の苦役を終えて郷里に帰る途中、暴走する戦車に乗ったメッサラと出会い、彼の御している馬の足をつかみあげて止めてしまう。
・ハー家の執事サイモニデスはメッサラから借金を取り立ててメッサラを破滅に追い込む。
・ゴルゴダの丘へ向かう途中でキリストが母と妹に触れると奇蹟が起こり、ライ病が癒される。
・メッサラが戦車競争で負けて大けがをし、その後ベン・ハーに復讐をしかける。
・エスターと結婚して地下壕にカタコンベを構え密かにキリストの教えを信仰し続ける。


●映画(チャールトン・ヘストン主演作)
・妹が誤って新総督グラトスに瓦を当ててしまうが、ベン・ハーがこれをかばう。
・郷里への途中族長のイルデリムと出会い、メッサラが戦車競争に出場することを知る。
・借金を取り立てるのは族長イルデリム
・母と妹は嵐を避けて岩場に隠れるが、はりつけにされたキリストの息が絶えたとき、ライ病が治ってしまう。(奇蹟か偶然かはっきりしない。)
・メッサラは戦車競争でベン・ハーとの対決に破れ死んでしまう。
・病気が治った母と妹に再会するシーンで終わる。映画ではエスターとの結婚は描かれなかった。




映画には脚色が加えられたとはいえ、ドラマ全体に流れる人間愛、家族愛、そして時代に翻弄される人々の苦悩を真芯に捉えて、小説からのメッセージを忠実なまでに表現し再現しています。

Top映画ファン

●ベン・ハーとアカデミー賞

アカデミー賞の受賞



映画の歴史上、初めて11部門というアカデミー賞最多受賞記録をうち立てたのは1959年度アメリカMGM社制作の映画「ベン・ハー」だ。




 

「タイタニック」と「ウエストサイド物語」「ロード・オブ・ザ・リング」は、「ベン・ハー」と同じ11部門でのアカデミー賞最多受賞作品。でも古代のロマンを彷彿とさせる「ベン・ハー」が個人的には一番気に入っている。物心ついて初めて見た映画であったということもあるが、外部からの評価も高いことも周知の事実。



40年たった今も、映画のテーマとしてはマイナーな古代史劇でありながら、ビデオレンタル店で未だ貸し出しの続いている映画であることがその証である。



なぜあの「タイタニック」があの「ロード・オブ・ザ・リング」が11部門受賞でとどまってしまったか・・・。あれだけの規模の制作費、最新の特殊効果技術の駆使、数々の話題をさらった映画がどうしてこの「ベン・ハー」を越えて12部門受賞に達し得なかったか・・・。それはまさにアカデミーの審査委員会が、「ベン・ハー」の建てた史上初の金字塔を壊すに忍びなかったからではないか。(あくまで個人的憶測。はい。)




 

受賞の11部門。


作品賞:完成度。支えを渇望する観衆の心の琴線に触れることができた故。
監督賞:ウィリアム・ワイラーの情熱と血の通った演出力。
主演男優賞:チャールトン・ヘストンの迫真の演技。
助演男優賞:ベン・ハーを応援するシーク(ヒュー・グリフィス)の存在感。
撮影賞:戦車競争シーンのリアルさと計算され尽くした画面レイアウト。
美術賞:美しく荘厳な古代ローマ、イスラエルの再現。
音響賞:高度な録音技術と立体音響の駆使。
音楽賞:ミクロス・ローザの緻密な民族音楽の時代考証とオリジナリティ。
編集賞:膨大な撮影フィルムの取捨選択と物語を組み立てた画面接続。
特殊効果賞:海戦シーン、戦車競争シーン。
衣装デザイン賞:ローマ軍兵士の鎧、ユダヤ民族衣装。



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●ベン・ハー 鑑賞歴と愛好歴

1959年度 アメリカMGM


制作:サム・ジンバリスト


監督:


ウィリアム・ワイラー


主演:


チャールトン・ヘストン


スティーブン・ボイド


鑑賞・愛好歴


初めてこの映画を見たのは1967年冬頃(5才)。母が私たち兄弟姉妹と、いつも一緒に遊んでいた同じアパートの子どもたちを連れて、那覇市内の映画館(確かグランドオリオン?)へ大勢で出かけていったことを覚えている。




 

1967年冬頃(5才)・・・・・・・・・・初めて映画を見た。ストーリーは?の状態。記憶に残っていたのはまず、戦車競争のシーン、ローマ軍のエルサレムへの入城シーン、キリストがはりつけの刑を受けるシーン、海戦シーンなど。 激しくて鮮烈で動的なシーンだけが頭に焼き付いていたようだ。(英語は分からないし字幕など読めなかった。) 




 

1973年(5年生)・・・・・・・・・2回目。70oのリバイバルだったので迫力があり、とっても懐かしくて感激した。けれど5才の頃の記憶はほとんど残ってなくて、初めて見る感覚に近かった。5年生になって見てみると、それなりに感想を持つようになる。子どもながらにこの映画から得た教訓は(人を憎むな)ということ。




 

1974年(6年生)・・・・・・・・・3回目。初のTV放映を見た。高島忠夫さんの解説で前編・後編の2回に分けて放送された。父も映画好きなのでゴールデン洋画劇場は毎回見ていた。たまたま予告編でベン・ハーを紹介していたので、自分たち兄弟姉妹にも知らせてくれた。全員で大喜びした。そのころから完全に「ベン・ハー」ファンになっていた。 ただ、TV放映にはさすがにがっかりしてしまった。テレビ用のトリミングで画面に迫力はないし、日本人の声優の吹き替えでイメージがくずれてしまった。さらにひどいなと思ったのは、カットされたシーンがいっぱいあったこと。ああ・・・大画面でオリジナルを見たい!と思った。




 

 

1978年?(高校2年)・・・・・・4回目。シネラマのリバイバルを見た。映画館に小型のラジカセを持ち込み、音響を録音した(笑)。家に帰ってから暇なときにはいつもこれを聞いて感動を新たにした。またレコード店からカルロ・サヴィーナ指揮のサウンドトラック盤を買って、いつも寝る前に聞いた。このころから、映画のストーリーに深く関心を抱いていく。この映画のメッセージ性をとらえ始めると、奥深さと気高さを感じずにはいられなかった。偏見を持ってしまうとこの映画の説教臭さに嫌気がさす人もいるようだが、宗教抜きで見てしまえば、きちっとした質の良い人間ドラマになっているのではないかな。そんな風に考えていつも学校の帰り道にサウンドトラック盤のテーマ曲の旋律を口ずさんでいた。




 

 

1981年(19才)・・・・・・・・・・5回目。TVの再放映を見る。水野さんの解説で前編・後編の2回に分けて放送された。TVから録音をする。まだビデオなど買える身分でなかったので(浪人中)、これで我慢するしかなかった。チャールトン・ヘストンとくれば、声優は納谷悟郎さんだ、と思っていたのに、この水曜ロードショーでは別の人が吹き替えしていてまたまたイメージ混乱。生の声が一番いいけども、TVで放映される映画で出演するヘストンはいつも納谷悟郎さんの声で聞き慣れてしまっていたし、ちょっと残念だったかなあ。




 

 

レコード店でサウンドトラック第2盤(Vol.2)を購入。カルロ・サヴィーナ指揮の第1盤に比べて、曲目が新たに加わっていて嬉しかったのだが、この第2盤エリッヒ・クロス指揮の録音では、オーケストラのブラスセクションが弱く、映画のような歯切れの良い音、インパクトの強い音になっていなかった。しかし両盤ともに挿入されている「愛のテーマ」はやはり美しい。




 

1982年(20才)・・・・・・・・・・流行りだしたレンタルビデオで週末に借りて繰り返し見る。暇なときは何度も戦車競争シーンを見ていた。




 

1983年(21才)・・・・・・・・・・アメリカ直輸入のベータ式ビデオを購入。




 

1987年(25才)・・・・・・・・・・レーザービデオディスク盤を購入した。サラウンドシステムを導入して映画の音響効果にも興味を持ちはじめる。戦車競争シーンをできるだけ迫力いっぱいで見てみたいと思っていた夢がかなった。テレビは25型。




 

1997年(35才)・・・・・・・・・・自宅を新築。100インチのホームシアターを導入。最新のレーザービデオディスク盤を買ってでドルビーサラウンドを再現。映画館と同じ環境で今でも昔を懐かしんでみたいときにこの映画を見ている。




2002年(40才)・・・・・・・・・・DVD購入。シネラマの右半分と左半分の色調の差異が修正されていて画像がきれいになっている。音響はAC-3システム対応(ドルビーデジタル)。


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