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失われた空間に吹き込む風

Posted at 07/06/05

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私は、右耳が聞こえない


実母が幼少の頃に亡くなり、

ものごころついたころから 
耳って片方が聞こえないのが普通なのだな
なんて思ってきた

小学生のころからず~っと「右耳難聴」と
通信簿の健康欄に記入され


友だちに 冷やかされつつも
それを 苦にも思わなかった


---

しかし非日常として考えるとき


あるものを失うと 

人はおおかた悲しみに暮れてしまいがちだ
というよりも、悲しみ途方に暮れるのが常だ


大切な指輪を無くした
大切なお金を無くした


夫や妻や恋人と別れた
大切な友と絶交した


そして
大切な父母を
大切な我が子を
愛しい伴侶を・・・


そうなると
言葉が出ない


ここで陳腐に
慰めの言葉を語ることなどできない


悲しみの極みいかばかりか なんてことも 
簡単に計り知れるわけがない。


---
それでも 今 言えること


右耳が無くても 
生きていける ということだけ
生きて生活しているいう現実がある ということだけ


幼少の頃、実母が病気で他界して
とにかく 他の周りの大人たちの必死の助けがあって 
ここまで成長できた ということも そうだ


それ以上でも それ以下でもなく
自分の中に 悲しみも怒りも奢りも そこには無かった

それでも 今現に生きているし誰かを頼りとし、
逆に知らぬところでひょっとしたら頼りにされている
存在かもしれない


こうして 大人となった今の自分


そう考えると
「失う」ことは必ずしも「不幸」に直結しないな


どうしてそう思う


「失っ」て真空となったその空間に
「与える」ための力強い突風が、吹き込んでくるからだよ


大自然と人間の文明社会は相反するものかなあ
と ときどき疑問に思う

否、これらはすべて「自然」の範疇に収まる事実であり
生命の存在そのものではないかなとも思う


力強い突風で 充ち満ちているこの世界
それが わたしたち「人間」が住んでいる世界・・・ 


どこに吹こうか
誰に吹き入れてあげようか


誰も見捨てず ときに見捨てられたなと思ったら
必ず誰かが今度は与えてくれている世界

きっとこれからも続くだろう

そう私は 信じたい



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